20代後半から始まった僕の薄毛との戦いは、まさに敗走の連続であり、有名無名の育毛剤を片っ端から試し、個人輸入で手に入れた怪しげなサプリメントを飲み、高額なエステサロンのような発毛コースに大金をつぎ込みましたが、残酷なことに生え際の後退は止まることを知らず、35歳になる頃には典型的なM字ハゲが完成し、友人からは「おでこ広くなった?」と気を使われ、合コンに行けばあからさまに視線を逸らされるという屈辱的な日々を送っていました。当時の僕は、AGA治療薬であるフィナステリドとミノキシジルも服用していましたが、進行のスピードが早すぎたのか、あるいは開始時期が遅すぎたのか、現状維持すらままならず、医師からは「これ以上の回復は薬だけでは難しいかもしれない」と事実上の手遅れ宣告にも近い言葉を投げかけられ、その時の絶望感と言ったら言葉では表現できないほど深く暗いものでした。鏡の中の自分は実年齢よりも10歳は老けて見え、帽子なしではコンビニに行くことすら躊躇われるほど自信を喪失していましたが、そんな僕が最後の希望としてすがりついたのが自毛植毛手術でした。正直、手術という言葉には恐怖がありましたし、費用も100万円以上かかるという見積もりを見て足がすくみましたが、このままハゲていく自分を惨めな気持ちで見続ける残りの人生と、思い切って手術を受けて髪を取り戻す可能性を天秤にかけた時、後者を選ばない理由はどこにもありませんでした。手術当日は緊張で手が震えましたが、局所麻酔のおかげで痛みはほとんどなく、映画を見ている間に終わってしまったという拍子抜けするような体験でしたが、本当の勝負はそこからでした。術後、一時的に移植した毛が抜けるショックロスという現象を経て、半年後くらいから新しい髪が生え揃い始めた時の感動は、人生で味わったどの喜びよりも大きく、鏡を見るたびにニヤニヤが止まりませんでした。かつてツルツルだったM字部分に、自分の髪が黒々と生え、指を通すと確かな抵抗を感じる、その当たり前の感覚を取り戻しただけで、性格まで明るくなり、仕事にも積極的になれ、何より人の目を恐れずに堂々と街を歩けるようになったのです。薬が効かずに手遅れだと感じていた僕にとって、植毛は単なる整容的な手術ではなく、失われた自尊心を取り戻すための再生手術でした。もし今、薬の効果が出ずに悩み、自分はもう終わりだと諦めかけている人がいるなら、僕は声を大にして言いたいです。薬がダメでも、まだ道は残されているし、その道を選んだ先には、想像以上に明るい未来が待っていると。
僕が薄毛治療を断念して自毛植毛手術を選んだ決断の記録