先日、恐る恐る訪れたクリニックで「AGAじゃないですよ」と診断された。父の頭を見ては、いずれ自分もと覚悟していただけに、この一言はまさに天の啓示。心底ホッとしたというのが正直なところだ。でも、安心したのと同時に、こうも思ったんだ。「この良い状態を、できるだけ長くキープしたい」と。今回の診断は、僕にとってゴールじゃなくて、むしろ新しいスタートライン。未来の髪を守るための、予防的ヘアケアを始める絶好の機会なんだ。そう決意して、僕がまず始めたのは、食生活の見直し。これまではラーメンや揚げ物中心の食生活だったけど、髪の材料になるタンパク質（豆腐、納豆、鶏むね肉）、そしてその働きを助ける亜鉛（牡蠣、レバー）やビタミンを意識したメニューに切り替えた。完璧じゃなくても、一日一品、髪に良いものを加えるだけでも気分が違う。次に、シャンプーの方法。ゴシゴシ洗うのをやめて、シャンプー前にお湯でしっかり予洗いし、指の腹を使って頭皮をマッサージするように優しく洗う。血行が良くなるのをイメージしながら、毎晩のリラックスタイムにしている。そして、何より大事にしているのが睡眠だ。髪は寝ている間に作られるって言うしね。スマホをベッドに持ち込むのをやめて、寝る前はストレッチをするようにしたら、寝つきが格段に良くなった。これらの習慣は、AGAじゃないと言われたからこそ、前向きな気持ちで取り組めている。恐怖から逃げるためのケアじゃなく、未来の自分への投資としてのケア。それだけで、毎日が少し楽しくなる。いつかまた髪の悩みに直面する日が来るかもしれない。でも、今のこの習慣が、その日をずっと先延ばしにしてくれるはずだ。そう信じている。