医師監修のQ&A・治療体験談の紹介

2025年10月
  • 専門医に聞く!AGAではない抜け毛で悩むあなたへ伝えたいこと

    抜け毛

    本日は、長年、脱毛症の臨床に携わってこられた皮膚科専門医の佐藤先生(仮名)に、AGAではない抜け毛についてお話を伺います。先生、患者さんから「AGAではない」と診断されて、かえって不安になる方も多いと聞きますが。「ええ、そのお気持ちはよくわかります。多くの方が『薄毛=AGA』というイメージをお持ちですから、それを否定されると『じゃあ原因は何なのか』と、より深い不安に陥ってしまうのですね。しかし、私たちが『AGAではない』と診断する時、それは決して突き放しているわけではなく、むしろ『改善の可能性が高いですよ』というポジティブなメッセージを込めていることが多いのです」。と、言いますと?「AGAは遺伝と男性ホルモンが関わる進行性の疾患で、治療のゴールは現状維持や緩やかな改善が主になります。一方で、例えばストレス性の休止期脱毛症や、頭皮環境の悪化による脂漏性脱毛症などは、原因を取り除き、適切なケアを行えば、多くの場合、髪の状態は治療前よりも良好に回復することが期待できます。つまり、原因が特定できれば、より明確なゴールを目指せるということなのです」。なるほど。先生が診断の際に重視される点は何でしょうか。「私たちは、マイクロスコープによる頭皮の状態観察を非常に重視します。毛穴の炎症の有無、皮脂の量、毛髪の太さの均一性などを詳細に見ることで、AGAとの鑑別を行います。AGAの場合、細く短い毛(軟毛)が多く観察されるという特徴がありますが、他の脱毛症ではそうした所見が見られないことが多いのです。また、患者さんの生活背景、つまり最近大きなストレスがなかったか、食生活はどうか、使っているヘアケア製品は何か、といった詳細な問診も、原因を特定する上で欠かせないパズルのかけらとなります」。最後に、悩んでいる方にメッセージをお願いします。「『AGAじゃない』という診断は、絶望ではなく希望の始まりです。あなたの髪の悩みには、必ず理由があります。私たち専門家と一緒に、その理由を見つけ出し、解決への道を歩んでいきましょう。どうか一人で抱え込まないでください」。

  • その診断に疑問を感じたらセカンドオピニオンという選択肢

    薄毛

    医師から「あなたの薄毛はAGAではありません」と告げられた時、もしあなたの心に安堵よりも、疑問や不安が大きく残ったのなら、それは「セカンドオピニオン」を検討すべきサインかもしれません。セカンドオピニオンとは、現在かかっている主治医以外の医師に、第二の意見を求めることです。これは、主治医の診断を疑うという否定的な行為ではなく、患者自身が納得して治療方針を決定するための、非常に前向きで重要な権利です。特に、薄毛や脱毛症の診断は、医師の経験や専門分野によって見解が分かれることも少なくありません。例えば、ある医師はAGAではないと判断しても、別の皮膚科専門医が診れば、脂漏性脱毛症や、ごく初期のAGAであると診断される可能性もゼロではないのです。では、セカンドオピニオンを賢く受けるためにはどうすれば良いのでしょうか。まずは、最初のクリニックで受けた検査結果や診断内容のデータを、可能であれば紹介状として用意してもらいましょう。これにより、次の医師はゼロからではなく、これまでの経緯を踏まえた上で、より的確な診断を下しやすくなります。次に、セカンドオピニオン先を選ぶ際は、皮膚科、特に脱毛症を専門に扱っている医師を選ぶことが重要です。クリニックのウェブサイトなどで、医師の経歴や専門分野を確認すると良いでしょう。そして、診察の際には、これまでの経緯、最初の診断で疑問に思った点、そして自分が今最も不安に感じていることを、具体的に、そして正直に伝えることが大切です。一人の医師の意見に固執せず、複数の専門家の意見を聞くことで、あなたは自身の状態をより多角的に理解し、最も自分に合った解決策を見つけ出すことができるはずです。納得のいく答えを求めるその一歩を、どうか躊躇しないでください。