あなたの抜け毛はどのタイプだろう
女性の脱毛症と一言でいっても、その症状の現れ方にはいくつかの異なるタイプが存在します。自分の抜け毛がどのタイプに近いのかを知ることは、原因を探り、適切な対策を立てる上で非常に重要です。最も広く知られているのが「円形脱毛症」です。これは、コインのような円形や楕円形に髪が突然抜け落ちる症状で、一つだけでなく複数箇所に発生することもあります。自己免疫疾患の一種と考えられており、免疫細胞が誤って成長期の毛根を攻撃してしまうことで起こります。ストレスが引き金になることもありますが、必ずしもそれだけが原因ではありません。次に、女性の薄毛で最も多いとされるのが「びまん性脱毛症」です。これは、特定の部分だけが抜けるのではなく、頭部全体の髪が均等に薄くなるのが特徴です。分け目が目立つようになった、髪全体のボリュームが減って地肌が透けて見える、といった症状で自覚されます。加齢やホルモンバランスの乱れ、栄養不足、ストレスなど、様々な要因が複合的に関与していると考えられています。更年期以降の女性に多く見られる「女性型脱毛症(FAGA)」も、このびまん性脱毛症の一種です。また、特定の生活習慣が原因で起こるものに「牽引性脱毛症」があります。これは、毎日きつく髪を結ぶポニーテールや、エクステンションなどによって、毛根に継続的に物理的な負担がかかることで、生え際や分け目部分の髪が薄くなってしまう状態です。そして、頭皮の脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎など、頭皮のトラブルが原因で抜け毛が増えることもあります。これらのタイプは、それぞれ原因やアプローチの方法が異なります。自己判断は禁物であり、気になる症状があれば、まずは専門医に相談し、正確な診断を受けることが何よりも大切です。