医師として多くのAGA患者を診察してきた経験から言えることは、初期脱毛がひどいと感じる患者さんほど、治療前には気づいていなかった「ミニチュア化」した毛髪が多数存在していたという事実であり、この現象は決して副作用による害悪ではなく、治療効果の現れとしての必然的なプロセスであると医学的に説明できます。AGAが進行すると、毛髪の成長期が極端に短くなり、太く長く育つ前に抜け落ちるサイクルに陥りますが、治療薬によってこのサイクルが是正される際、成長期が短縮して退行期や休止期に留まっていた大量の弱毛が一斉にリセットされるため、見かけ上の抜け毛が爆発的に増え、これが「ひどい初期脱毛」として認識されるのです。つまり、初期脱毛がひどいということは、それだけ多くの毛根がAGAの影響を受けて休止状態や不完全な成長状態にあったことの裏返しであり、薬がそれら全ての毛根に作用して「もう一度最初からやり直そう」と働きかけている証拠なのです。我々医師の視点からすれば、初期脱毛がひどい患者さんは、その後劇的な改善を見せる「レスポンダー」である可能性が高く、この時期の抜け毛は将来のフサフサな頭髪への予約チケットのようなものですから、慌てず騒がず、むしろ「効いている」とガッツポーズをするくらいの気持ちで治療を続けていただきたいと考えています。AGA治療をスタートさせたものの、予想以上に初期脱毛がひどい状況に直面し、日々の生活に支障をきたすほどの不安を抱えているあなたへのアドバイスとしては、この期間を「自分磨きの冬の時代」と捉え直し、髪以外の要素で自己肯定感を高める努力を並行して行うことを強くお勧めします。髪が抜けていく様子を毎日鏡でチェックして一喜一憂するのは精神衛生上非常に悪く、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を促して血管を収縮させ、かえって発毛に悪影響を及ぼす恐れがあるため、あえて鏡を見る時間を減らし、髪型のセットが決まらないことへのイライラを減らすために短髪にしてしまうのも一つの手です。初期脱毛がひどい時期は約1、2ヶ月で終わる一時的なものですから、その間に筋トレをして体を鍛えたり、スキンケアに力を入れたり、ファッションを研究したりして、髪が生え揃った時に最高の自分になれるよう準備を進めておくことで、意識を「失う髪」から「得る未来」へとシフトさせることができます。また、パートナーや信頼できる友人にAGA治療中であり一時的に抜け毛が増えていることをカミングアウトしてしまうのも、隠すストレスから解放される有効な手段であり、周囲の理解を得ることで、「今は治療の過程だから」と堂々と振る舞えるようになり、ひどい初期脱毛の期間も心の余裕を持って乗り切ることができるようになるはずです。
なぜAGAの初期脱毛はあんなにひどいのか医師の視点