薄毛治療を開始した人の心を最初に折る最大の壁、それが初期脱毛の期間です。せっかく髪を増やそうとして高いお金を払い、毎日欠かさず薬を飲んでいるのに、以前よりも抜け毛が増えてしまうこの現象は、頭では理解していても感情的には受け入れがたいものです。お風呂の排水溝に溜まる黒い塊や、ドライヤーの後に床に散らばる髪の毛を見るたびに、このままハゲてしまうのではないかという恐怖に襲われます。しかし、この期間こそが、あなたの頭皮の中で革命が起きている最中であることを強く認識してください。初期脱毛は通常、治療開始から二週間から一ヶ月後くらいに始まり、一ヶ月から二ヶ月程度続くことが多いと言われています。この期間に抜けている髪は、本来であればもっと後で抜けるはずだった寿命の尽きかけた弱い髪たちです。薬の効果によって毛根の細胞分裂が急激に活性化され、奥から新しく太い髪が作られ始めたために、古い髪が押し出されて抜けているのです。つまり、これは破壊ではなく再生のためのスクラップアンドビルドなのです。このメカニズムを知っているかどうかで、この辛い期間を乗り越えられるかどうかが決まります。初期脱毛の期間中は、髪型を工夫して透け感をカバーしたり、帽子を活用したりして、精神的なストレスを軽減する工夫が必要です。また、抜けることを恐れて洗髪を控えたりするのは逆効果であり、頭皮を清潔に保つことが新しい髪の成長を助けます。そして、この長く暗いトンネルを抜けた後、治療開始から三ヶ月から四ヶ月が経過した頃に、必ず変化が訪れます。最初は指先に触れるか触れないかほどの微細なチクチクとした感触から始まり、やがて鏡で見た時に生え際や分け目に産毛の影が見えるようになります。この瞬間こそが、初期脱毛を乗り越えた勝者に与えられる最初の報酬です。一度生え始めた新しい髪は、以前の髪よりも太く、強く、成長期が長いため、簡単には抜け落ちません。半年が過ぎる頃には、その産毛たちがしっかりと成長し、髪全体のボリューム感として実感できるようになります。初期脱毛が激しかった人ほど、その後のリバウンドによる発毛効果も大きいというデータもあります。今、初期脱毛の期間中にいて不安に押しつぶされそうな人は、どうかここで諦めないでください。夜明け前が一番暗いと言いますが、この抜け毛はフサフサへのカウントダウンです。この期間を耐え抜いた先にしか見えない景色があることを信じて、今日の一錠を飲み続けてください。