AGAヘアクリニックでの治療を経て、抜け毛は減り、髪のボリュームも戻り、鏡を見るのが楽しくなった。この満足のいく状態を、この先もずっと維持していきたい。そう願うのは当然のことです。しかし、ここで一つ、非常に重要な事実を理解しておく必要があります。それは、「AGAは完治する病気ではない」ということです。AGAは高血圧や糖尿病のような体質的な疾患に近く、治療を完全にやめてしまえば、再びゆっくりと、しかし確実に進行が始まります。つまり、クリニックでの治療に明確な「卒業」という概念は、厳密には存在しないのです。では、どうすれば良いのでしょうか。答えは、治療のフェーズを「発毛・回復期」から「維持期」へと移行させることです。多くのクリニックでは、患者が満足する状態まで髪が回復した後、医師と相談の上で、薬の量や種類を調整する「維持療法」を提案しています。例えば、毎日服用していた薬を二日に一回に減らしたり、より作用の穏やかな薬に切り替えたりすることで、体の負担や費用を抑えながら、効果を維持していくのです。これは自己判断で行うと再発のリスクが高まるため、必ず医師の指導のもとで行わなければなりません。また、治療を通じて身につけた良い生活習慣を続けることも、効果を維持するためには不可欠です。バランスの取れた食事、質の良い睡眠、ストレスとの上手な付き合い方。これらは、薬の効果を支え、髪だけでなく全身の健康を保つための土台となります。AGA治療の本当のゴールは、フサフサになることではなく、髪へのコンプレックスから解放され、自信に満ちた人生を送り続けることです。クリニックを良きパートナーとして、長期的な視点で自分の髪と向き合っていく。その考え方こそが、手に入れた自信を未来永劫守り抜くための鍵となるのです。
AGAヘアクリニック卒業後も効果を保つための考え方