AGA治療を検討して色々なクリニックのホームページを調べると同じフィナステリドやミノキシジルという薬を扱っているにもかかわらずクリニックによって価格に数千円から数万円もの開きがあることに驚き不信感を抱くことがありますが、この価格差には自由診療ならではの明確なカラクリとビジネスモデルの違いが存在しています。まず大前提として自由診療には国が定めた公定価格が存在しないため、各医療機関が経営判断に基づいて自由に価格を設定することが許されています。価格を決定する要素としては薬の仕入れ原価に加えて、クリニックの立地(家賃)、広告宣伝費、医師やスタッフの人件費、そして利益率などが積み上げられますが、特に大きなウェイトを占めるのが広告費と人件費です。テレビCMや電車の中吊り広告をバンバン流している大手クリニックは莫大な広告費がかかっているため、それを回収するために治療費を高めに設定するか、あるいは高額なオプション治療を契約してもらうことで採算を合わせるビジネスモデルになっていることが多いです。一方で、派手な広告を出さずオンライン診療に特化しているようなクリニックは、家賃や人件費を極限までカットできるため、薬代を非常に安く設定することが可能になります。また、使用している薬が「先発医薬品」か「ジェネリック(後発医薬品)」か、あるいは「国内承認薬」か「海外からの独自輸入薬」かによっても原価は大きく異なり、一般的に海外製のジェネリックを独自に輸入して処方しているクリニックは価格を安く抑える傾向にあります。ここで注意すべきは「高いから効果がある」「安いから怪しい」という単純な図式ではないということであり、高いクリニックは豪華な内装や手厚い接客、対面での安心感といった「サービス料」が含まれていると考え、安いクリニックはそれらを削ぎ落とした「薬の提供」に特化していると考えるべきです。さらに、料金体系の透明性も重要なポイントであり、ホームページに表示されている安価な料金は初回限定のもので2回目以降は跳ね上がるケースや、基本の薬代は安くても血液検査代や診察料が別途高額請求されるケースもあるため、表面的な価格だけでなく「半年、一年通った場合の総額」で比較検討することが賢い消費者としての自衛策となります。適正価格を見極めるためには、複数のクリニックのカウンセリングを受け、見積もりを取り、なぜその価格なのかという根拠を理解した上で、自分が求めるサービスレベル(安心感重視か、コスト重視か)に見合ったクリニックを選択する目を持つことが不可欠です。