AGAの症状について語る時多くの人は「髪が抜けること」に注目しがちですが医学的な観点から見たAGAの本質的な症状とは脱毛そのものではなく今ある髪が徐々に細く短く弱々しいものへと変化していく「軟毛化(ミニチュア化)」という現象に他なりません。AGAを発症するとジヒドロテストステロンの影響によってヘアサイクルの成長期が通常に比べて極端に短縮されるため髪の毛は太く長く育つための時間を奪われまだ赤ちゃんの産毛のような状態のまま成長がストップしやがて抜け落ちてしまうようになります。このプロセスが繰り返されることでかつては剛毛だった黒々とした髪が色素の薄いヒョロヒョロとした毛に置き換わっていき本数は変わらなくても髪の体積が減ることで全体のボリュームがダウンし地肌が透けて見えるようになるのです。つまりAGAの初期から中期にかけての薄毛は「髪がなくなった」のではなく「髪が小さくなった」状態であると言い換えることができマイクロスコープで患部を観察すると毛穴からは確かに髪が生えているもののそれが肉眼では見えないほど細くなっている様子が確認できます。この軟毛化こそがAGAの正体であり患者が感じる「髪にコシがなくなった」「雨に濡れると地肌が丸見えになる」「ヘアワックスをつけても立たない」といった悩みの根本原因は全てこの髪の太さの減少に起因しています。軟毛化の恐ろしい点は徐々に進行するため目が慣れてしまい変化に気づきにくいことであり毎日見ている自分よりも久しぶりに会った他人の方がその変化に敏感に気づくことが多いのもそのためです。治療によって改善を目指す場合もまずは抜け毛が減り次にこの軟毛化した髪が太く長く育つようになる「硬毛化」が目標となりますが一度軟毛化した髪を元の太さに戻すには長い時間と継続的な治療が必要となります。鏡を見て「髪が減ったな」と感じた時はすでにかなりの割合で軟毛化が進行していると考え「抜けていないから大丈夫」と安心するのではなく「細くなったらアウト」という厳しい基準で自分の髪を見つめ直すことがAGA対策の鉄則なのです。