AGA薬の有効成分フィナステリドとミノキシジルの知識
AGA治療の中心となる医薬品には、主に「フィナステリド」や「デュタステリド」といった内服薬と、「ミノキシジル」という外用薬があります。個人輸入を検討する際も、これらの成分名を目にすることが多いでしょう。しかし、成分名が同じだからといって、その品質まで同じとは限りません。フィナステリドやデュタステリドは、AGAの主な原因である男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成を抑制することで、抜け毛を防ぎ、ヘアサイクルの乱れを正常化させる働きがあります。一方、ミノキシジルは頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで発毛を促す効果が期待されます。これらの薬は、医師が患者の状態に合わせて適切な成分と用量を判断してこそ、その効果を最大限に発揮します。しかし、個人輸入で手に入る薬は、この有効成分の含有量が不正確である可能性が常に付きまといます。例えば、フィナステリド1mgと表示されていても、実際には0.5mgしか入っていなかったり、逆に2mgも入っていたりするケースです。含有量が少なければ期待した効果は得られませんし、多すぎれば副作用のリスクが不必要に高まります。特に、フィナステリドは肝臓で代謝されるため、肝機能に問題がある人が自己判断で服用するのは非常に危険です。さらに深刻なのは、有効成分以外の不純物の存在です。不衛生な環境で製造された偽造薬には、本来含まれるはずのない化学物質や重金属などが混入している恐れがあり、これらがアレルギー反応や予期せぬ健康被害を引き起こす原因となり得ます。成分名を知っているだけでは安全は確保できません。その成分が、いかに厳格な品質管理のもとで製造され、専門家の監督下で正しく使用されるかが重要なのです。