抜け毛が増え、鏡を見るたびにため息をつく日々。これは何かの病気だろうか、このまま薄くなってしまったらどうしよう。そんな不安を抱えながらも、皮膚科の扉を叩くことをためらってしまう女性は少なくありません。美容院で相談するのとは訳が違う、病気かもしれないという現実と向き合うのが怖い、こんなことで病院に行くのは大げさだと思われないだろうか。様々な思いが、その一歩を重くさせてしまいます。しかし、女性の脱毛症において、専門家への早期相談は何よりも効果的な治療法と言っても過言ではありません。なぜなら、その背後には甲状腺機能の異常や膠原病、鉄欠乏性貧血といった、治療が必要な内科的な病気が隠れている可能性があるからです。髪は健康のバロメーターとも言われ、体からの重要なサインを発しています。これを放置してしまうと、根本的な病気の発見が遅れてしまうことにもなりかねません。また、脱毛症の多くは進行性です。特に女性型脱毛症(FAGA)などは、何もしなければゆっくりと症状が進んでいきます。治療の開始が早ければ早いほど、改善の可能性は高まり、治療の選択肢も広がります。では、どのタイミングで、何科を受診すればよいのでしょうか。目安としては、明らかに抜け毛の量が半年以上続いている、地肌が透けて見える部分がある、抜け毛だけでなく頭皮のかゆみやフケ、痛みがある、髪以外の体調不良(倦怠感、体重の変化など)も感じるといった場合は、迷わず受診をおすすめします。相談先としては、まずは皮膚科が一般的です。皮膚科医は髪と頭皮の専門家であり、的確な診断を下してくれます。最近では、女性の薄毛治療を専門に行うクリニックも増えており、よりデリケートな悩みに寄り添ったカウンセリングや治療を受けることも可能です。その一歩の勇気が、あなたの未来を大きく変えるかもしれません。