本日は、長年AGA治療の最前線に立たれている専門医にお話を伺い、多くの人が抱く疑問や誤解について、その真実を解き明かしていきたいと思います。まず、先生、治療をすれば誰でも必ずフサフサになりますか?「それは、残念ながら誤解です。AGA治療の効果には、年齢や薄毛の進行度、遺伝的体質などにより個人差があります。治療の主な目的は、まず抜け毛を止め、薄毛の進行を抑制すること。その上で、ヘアサイクルを正常化させ、可能な範囲で発毛を促すことです。全く毛根がなくなってしまった部位から、完全に元通りに髪を生やすのは現代の医療でも困難です。だからこそ、早期治療が何よりも重要なのです」。副作用が怖い、という声もよく聞きます。「医薬品である以上、副作用のリスクはゼロではありません。しかし、AGA治療薬で重篤な副作用が起こる頻度は非常に低く、多くの場合は服用を中止すれば回復します。私たちは、定期的な診察や血液検査を通じて患者様の体調を常にモニタリングし、安全性を最優先に治療を進めます。インターネット上の過度に不安を煽る情報に惑わされず、専門家である私たちに正直に相談してほしいですね」。市販の育毛剤とクリニックの薬は何が違うのでしょうか?「根本的な目的が違います。市販の育毛剤の多くは、頭皮環境を整え、今ある髪を健康に保つ『予防』が目的の医薬部外品です。一方、私たちが処方するのは、AGAの原因に直接作用し、発毛を促す『治療』を目的とした医薬品です。その効果には、医学的にも明確な差があります」。最後に、治療を途中でやめたらどうなりますか?「AGAは進行性の疾患ですので、治療をやめれば、残念ながら再び元の状態へと戻っていきます。高血圧の薬を飲み続けるのと同じように、良い状態を維持するためには治療の継続が必要です。もちろん、状態が安定すれば薬の量を減らすなど、維持療法に移行することも可能です。治療のゴールは、患者様ご自身が納得し、自信を持って生活できる状態を保つことだと考えています」。
AGAクリニックの医師に聞く治療の真実と誤解