近年、テクノロジーの進化と規制緩和により急速に普及しているのが、スマートフォンやパソコンを使って自宅にいながら診察を受け、薬まで配送してもらえる「オンライン診療」によるAGA治療であり、その手軽さとプライバシー性の高さから、忙しいビジネスマンや地方在住者を中心に利用者が爆発的に増えています。オンライン診療の具体的な流れは非常にシンプルで、まずはクリニックの公式サイトや専用アプリから予約枠を選択し、問診票をWEB上で入力することから始まります。予約時間になると、医師からビデオ通話(Zoomや専用アプリ、あるいはLINEのビデオ通話など)がかかってきて、画面越しに診察がスタートします。対面診療と同様に、現在の悩みや健康状態についてのヒアリングが行われ、画面越しに頭皮の状態を見せることになりますが、ここが対面との大きな違いであり、マイクロスコープなどが使えないため、スマホのカメラで自分の頭部を映し、医師がそれを目視で確認するという簡易的な診察となります。診察時間は通常10分から15分程度と短く、医師が治療可能と判断すればその場で処方薬が決定されます。その後、クレジットカードや電子決済サービスなどで支払いを済ませると、最短で当日に薬が発送され、早ければ翌日には自宅のポストに薬が届くというスピーディーな展開です。薬のパッケージも「PCパーツ」や「サプリメント」などの品名で送られてくるなど、家族や同居人にバレないような配慮がなされているクリニックも多く、誰にも知られずに治療を始めたい人にとっては理想的なシステムと言えるでしょう。また、通院のための移動時間や交通費、待合室での待ち時間が一切不要であるため、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する現代人にとっては極めて合理的です。さらに、オンライン特化型のクリニックは実店舗を持たない分、家賃や人件費などの固定費を削減できるため、薬代が対面クリニックよりも安価に設定されていることが多いという経済的なメリットもあります。しかし、この便利なオンライン診療にはいくつかの注意点とデメリットも存在し、それを理解せずに利用すると十分な効果が得られない可能性があります。最大のデメリットは、やはり「触診やマイクロスコープによる精密検査ができない」という点です。画面越しの映像だけでは、頭皮の硬さや温度、炎症の細かい状態、産毛の有無などを正確に把握することは難しく、医師の経験則に頼った診断にならざるを得ません。そのため、初期の微妙な変化や、AGA以外の脱毛症(円形脱毛症や脂漏性皮膚炎など)との鑑別が難しく、誤った診断や治療方針になるリスクがゼロではありません。また、血液検査も自己申告(健康診断結果のアップロードなど)に頼ることが多く、リアルタイムでの副作用チェックがおろそかになりがちです。したがって、初めてAGA治療を行う場合や、自分の薄毛の原因がはっきりしない場合は、最初の1回だけでも対面診療のあるクリニックを受診し、しっかりとした検査を受けることが推奨されます。
オンライン診療で完結するAGA治療の具体的なステップと注意点