薄毛に悩み始めた当初、僕は毎月かかる治療費を少しでも安く抑えたい一心で、ネットの掲示板やブログで情報を漁り、海外からAGA治療薬を個人輸入するという「裏技」に強く惹かれていました。クリニックで処方してもらえば月1万円近くかかる薬が、個人輸入代行サイトを使えば数千円、下手すれば十分の一程度の価格で手に入るという事実は、経済的に余裕のない当時の僕にとって魅力的すぎる誘惑でしたが、最終的に僕はその選択を捨て、正規の自由診療クリニックの門を叩く決断をしました。その最大の理由は「安全性への恐怖」と「自己責任の重さ」に気づいたからです。ネット上には「個人輸入で安くフサフサになった」という成功体験談が溢れていますが、同時に「偽物が届いた」「重篤な副作用が出たが医師に相談できず悪化した」「肝機能障害を起こした」といった恐ろしい報告も散見され、もし自分がその当事者になった時、誰にも助けを求められないという状況に耐えられる自信がありませんでした。AGA治療薬はホルモンバランスに作用し、心臓や肝臓にも負担をかける可能性がある強力な医薬品であり、それを医師の診断も血液検査もなく飲み続けることは、目隠しをして高速道路を走るような無謀な行為に思えたのです。実際にクリニックを受診してみると、医師は僕の頭皮の状態だけでなく、血圧や持病、生活習慣などを細かくチェックし、副作用のリスクを説明した上で、定期的な血液検査で身体の数値をモニタリングしながら慎重に薬の量を調整してくれました。この「医師に見守られている」という安心感は、個人輸入では絶対に得られない価値であり、自由診療の費用には単なる薬代だけでなく、この「安全管理料」や「専門家への相談料」が含まれているのだと納得することができました。また、クリニックではマイクロスコープで客観的な効果測定を行ってくれるため、効果が出ているのか分からないまま不安に過ごすこともなく、モチベーションを維持しやすいというメリットもありました。結果的に僕は安全に髪を取り戻すことができましたが、もし数千円をケチって個人輸入を選び健康を害していたら、髪どころの話ではなかったでしょう。自由診療は安くはありませんが、自分の身体と未来を守るための保険料だと考えれば、決して高い買い物ではないと僕は確信しています。
僕が個人輸入ではなく自由診療のクリニックを選んだ理由