男性にとって最も象徴的であり鏡を見るたびに絶望感を味わうことになるのが額の生え際から徐々に薄くなっていくM字型AGAの症状でありその進行プロセスは非常に独特かつ残酷なステップを踏んで進んでいきますがそのメカニズムを知ることは早期発見の鍵となります。M字型AGAの始まりは明確な脱毛というよりも「産毛化」からスタートすることが多くかつては太い髪が生えていた額の左右の角(剃り込み部分)の髪が徐々に細く短くなり地肌の色と同化していくことで「おでこが広くなった」「生え際のラインがぼやけてきた」と感じるのが第一段階です。この時期には前髪を下ろしていても風が吹くと割れやすくなったり汗をかくと前髪が束になってスカスカに見えたりといった変化が現れ始めますが多くの男性はこれを「生まれつきおでこが広いだけだ」と否認しようとします。しかし進行が進むにつれて産毛すら生えなくなり完全にツルツルの皮膚が露出するようになるとM字の食い込みは深くなり前髪の中央部分だけが孤立して残るいわゆる「離れ小島」のような状態へと移行していきこの段階になるとヘアスタイルで隠すことは極めて困難となり毎朝のセットに膨大な時間を費やすことになります。M字型AGAの恐ろしい点は前頭部の毛包にはⅡ型5αリダクターゼという酵素が多く存在しておりこれがテストステロンと結びついて強力な脱毛ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)を大量に生成するため一度スイッチが入ると進行スピードが非常に速く薬による治療を行わなければ自然治癒することは絶対にないという点です。さらに進行するとM字の切れ込みが頭頂部に向かって深く伸びていき最終的には頭頂部の薄毛(O字型)と合流して前頭部から頭頂部にかけての髪が完全に失われるU字型と呼ばれる状態にまで至りますがここまでくると毛根が死滅してしまっている可能性が高く治療の難易度は格段に上がってしまいます。初期のM字症状を見極めるポイントは生え際の短い毛(アホ毛)の量と質であり生え際に短い毛がたくさんあるのは新しい毛が生えているのではなく長く伸びる前に抜けてしまっている証拠であると認識し、また生え際の皮膚が周囲の皮膚に比べて硬くなったりテカテカと光っていたりする場合も血行不良と線維化が進んでいるサインですので注意が必要です。M字型の進行は男としての自信を奪い去る残酷なプロセスですが初期の産毛化の段階で食い止めることができれば元のラインを取り戻すことは十分に可能ですので鏡の前で前髪を上げて左右の角をチェックする習慣を持つことが大切です。
生え際が後退するM字型AGAの進行プロセス