AGA治療は自由診療であるためクリニックによって価格競争が起きており、ネット上には「月額数千円」「初月無料」といった激安価格を謳う広告が溢れていますが、安さという一点のみを基準にクリニックを選んでしまうと、結果的に高くついたり、期待した効果が得られなかったりする落とし穴にハマる危険性があります。激安クリニックの多くは、薄利多売のビジネスモデルで運営されており、その裏側には徹底的なコストカットが存在します。例えば、医師による診察は初回のみで数分で終わり、あとは事務スタッフがマニュアル通りに薬を渡すだけだったり、定期的な血液検査やマイクロスコープによる経過観察が省略されていたりすることがあり、これでは副作用の兆候を見逃したり、薬が効いていないのに漫然と飲み続けたりするリスクが高まります。また、「初月無料」の甘い言葉に釣られて受診したら、2ヶ月目以降は高額な正規料金での契約が必須で、解約しようとすると高額な違約金を請求される「定期縛り」の罠が仕掛けられているケースも少なくありません。さらに悪質な場合、安い基本プランで集客し、来院した患者の不安を煽って高額なオプション治療や長期ローン契約を強引に迫る「アップセル」の手法が常態化しているクリニックもあり、断りきれずに数十万円のローンを組まされてしまったというトラブルも後を絶ちません。薬自体も、品質が保証された国内正規品ではなく、海外から安く輸入した出所不明のジェネリック薬を使用している場合があり、効果にバラつきがあったり、添加物によるアレルギーが出たりする可能性も否定できません。もちろん、企業努力によって安価で良質な医療を提供しているクリニックも存在しますが、医療において「安かろう悪かろう」のリスクは常に隣り合わせです。クリニック選びで失敗しないためには、表面的な価格の安さだけに飛びつくのではなく、料金体系が明確か、医師が親身になって相談に乗ってくれるか、治療のリスクやデメリットも隠さずに説明してくれるかといった「医療機関としての誠実さ」を見極めることが重要です。安物買いの銭失いならぬ、安物買いの髪失いにならないよう、価格の裏にあるサービスの質を冷静にジャッジする目を持ってください。
安さだけでクリニックを選ぶと陥る自由診療の落とし穴