抜け毛が増えたり薄毛になったりしたからといって必ずしもそれがAGA(男性型脱毛症)であるとは限らず円形脱毛症や休止期脱毛症、脂漏性脱毛症など原因や治療法が全く異なる脱毛症である可能性も十分にありこれらを症状の特徴から正確に見分けることは無駄な治療を避け適切な対処を行うために不可欠です。まず最も分かりやすい違いは「脱毛のパターン」にありAGAが生え際や頭頂部から特定のパターン(M字やO字)で徐々に進行し数年単位でゆっくりと薄くなっていくのに対し円形脱毛症は何の前触れもなく突然コインのように丸く境界がはっきりした脱毛斑が現れるのが特徴で進行スピードも極めて速く朝起きたら枕にごっそり髪があったというような劇的な抜け方をします。またストレスや高熱、急激なダイエットなどが原因で起こる休止期脱毛症は頭部全体からまんべんなく髪が抜ける「びまん性」の脱毛が特徴でありAGAのように部分的に薄くなるのではなく全体的なボリュームダウンを感じるのが一般的で原因が取り除かれれば自然に回復することも多いのがAGAとの決定的な違いです。さらに頭皮の状態による見分け方も重要でAGAの頭皮は一見正常か少し脂っぽい程度ですが脂漏性脱毛症では頭皮が赤く炎症を起こし湿ったフケやかさぶたを伴うことが多く牽引性脱毛症では髪を強く結んでいたり帽子を長時間被っていたりする特定の場所に一致して脱毛が見られます。そして抜け毛の形状にも違いがありAGAの抜け毛は細く短い軟毛が多いのに対し円形脱毛症の抜け毛は毛根が萎縮して尖っていたりちぎれたように見えたりすることがあり休止期脱毛症の抜け毛は成長が止まっただけの太い毛が抜けることもあります。しかし実際にはこれらの脱毛症が併発している複雑なケース(例えばAGAと円形脱毛症が同時にある場合など)も少なくなく自己判断で「これはAGAだ」と決めつけて個人輸入した薬を飲んでも円形脱毛症には全く効果がないどころか副作用のリスクだけを負うことになります。症状の違いを知ることは大切ですが最終的な確定診断はマイクロスコープや血液検査を用いた専門医による鑑別診断が必要不可欠でありネットの情報だけで自己診断を下すことは地図を持たずに樹海に入るような危険な行為であることを肝に銘じておくべきです。
AGAとその他の脱毛症を見分ける症状の違い