僕が薄毛治療を始めたのは三十五歳の時でしたが、正直に申し上げて、もっと早く、二十代後半のあの時に始めていればよかったという強烈な後悔があります。これから治療を考えている皆さんに、いつから始めるべきかと聞かれたら、僕は食い気味に今すぐと答えるでしょう。僕が最初に異変を感じたのは二十八歳の頃でした。友人が撮影した写真に写る自分の頭頂部が、照明の加減で少し薄く見えたのです。その時は、光の当たり具合のせいだろう、あるいは最近仕事が忙しくて寝不足だからだろうと、自分に都合の良い言い訳をして見て見ぬふりをしました。ドラッグストアで少し高めのスカルプシャンプーを買って、それでケアをしている気になっていたのです。しかし、三十代に入るとその進行は加速しました。毎朝のセットが決まらなくなり、風が強い日に外出するのが億劫になり、人の視線が自分の頭に向けられているような被害妄想に囚われるようになりました。それでも僕は、病院に行くのはハゲを認めることになると変なプライドが邪魔をして、科学的根拠のない民間療法やマッサージに頼り続けました。そして三十五歳、久しぶりに会った学生時代の友人に頭頂部どうしたとストレートに指摘された時の衝撃は忘れられません。その言葉に背中を押されるようにして、ようやく重い腰を上げてAGAクリニックに行きました。医師の診断は中等度まで進行したAGAでした。そこから飲み薬と塗り薬の併用治療を始め、一年ほどで随分と改善はしましたが、やはり二十代の頃のような密度には戻りませんでした。医師からは、もし気になり始めた二十八歳の時点で治療を開始していれば、今のコストの半分以下で、かつフサフサの状態を維持できていたでしょうと言われ、その言葉が胸に突き刺さりました。失ってしまった毛根はもう戻らないのです。僕が失ったのは髪の毛だけではなく、二十代後半から三十代前半という一番脂の乗った時期の自信と、治療を躊躇していた数年間の時間、そして進行してからリカバリーするためにかかった高額な治療費です。早期に始めていれば、月々数千円の予防薬だけで済んでいたはずのお金が、進行した状態を治すために数十万円単位で飛んでいきました。この体験から僕が言えることは、薄毛は病気であり、根性やシャンプーでは治らないという事実を受け入れること、そしてプライドを捨てて専門家の力を借りるのが早ければ早いほど、その後の人生が明るくなるということです。いつから始めるか悩んでいる時点で、あなたの心の中では答えが出ているはずです。認めるのが怖い、恥ずかしいという感情は痛いほど分かりますが、その感情が髪を生やしてくれることはありません。むしろ、その感情が判断を鈍らせ、取り返しのつかない状態へとあなたを追いやっているのです。過去に戻ることはできませんが、未来を変えることはできます。今日がこれからの人生で一番若い日であり、今日が残された毛根にとって一番元気な日なのです。僕のような後悔をしないためにも、一刻も早く専門医のドアを叩いてください。それが、過去の自分を救えなかった僕からあなたへの、心からのアドバイスです。